私は一人行動が嫌いじゃない。
むしろ、旅だって買い物だって、一人のほうが気楽だったりする。
でも最近気づいたことがある。
私はどうやら、「ひとりでは動き出せない」らしい。
家でゴロゴロしながら、YouTubeの「有隣堂しか知らない世界」を見ていたときのこと。
MCを務める“ブッコロー”というキャラクターがほんとに好きで。
見れば見るほど愛おしくて、「グッズ欲しいなぁ」と思っていた。
でも、関西で手に入るのは神戸の店舗だけ。
うーん、神戸…遠くはないけど、ちょっと腰が重い。
そんなある日、同僚と何気なく話していると、その子もブッコロー好きだということが発覚。
しかも、なんと!すでに神戸に行ってグッズを買ってきていた。
「これ、見て見て!」と見せてくれたブッコローグッズは、想像以上に可愛くて、
気がついたら私は、子どもみたいに「いいなー!私も欲しい!」と口にしていた。
その週末、私は神戸にいた。
一人で、わくわくしながらグッズを選んでいた。
その時間はたしかに“ひとり”だったけれど、同僚と話したあの瞬間の余韻が、
私の背中をそっと押してくれていた。
思えば私はいつも、そうやって動いている。
誰かの感情に共鳴して、誰かの言葉で火がついて、
そのあと一人で、でもその誰かを心に連れて、歩き出す。
ひとり旅も、一人で立ち寄るカフェも、
その始まりには必ず“誰か”がいる。
私という存在は、たぶんずっと、そうやって“誰かの余韻”でできている。